セカンドルーム

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セカンドルームの設計コンセプト

株式会社ナカエ・アーキテクツ
代表取締役 中永 勇司

始まりは使われていなかった加賀建設の鉄工所を借りて、カフェを営業したいという申し出からでした。
貸す以上は建物の安全性の確認が必要ということと、カフェは1階での営業となるので、2階をどう利用すればよいか、というところからご相談をいただきました。

構造の安全確認については、図面が残っていなかったため、主に目視によって現状の部材断面や劣化状況を確認し、必要な補強や処置を行うことにしました。
具体的には、長手方向には耐震ブレースが配置されているものの短手方向にはブレースがなくラーメン構造となっており、2階を利用することによる建物の振動が懸念されたため、1階のカフェの計画に支障のないようにラーメンフレームをH鋼の方杖によって補強しました。

また劣化の進んでいた柱脚はコンクリートによって根巻きを行いました。
2階をどう利用するかについては、当初から加賀建設のアネックスとして来客時の打ち合わせスペースに使えることを想定していましたが、それだけの空間としてしまうのは勿体ないということで、展覧会や語学学校のような様々なイベントを行える多目的な用途を受け入れるような空間にしたいと思いました。

広々とした使いやすい空間を用意すれば様々な使い方をすることはできますが、空間自体が使い手に「こうやって使ってみたい」とイメージさせるようなものであるべきではないでしょうか。
何もない空き地ではいろいろな遊びができるけれど、そこにジャングルジムのような遊具を一つ置いてみれば、子供はそれをきっかけにいろいろな遊び方を発明するものです。
そのジャングルジムに相当するものとして、今回のセカンドルームの中に木造の軸組を置きました。既存の壁や天井を白一色で塗装し、床を黒で仕上げ、そこに置かれた木造の軸組は、それ自体が原寸の建築模型のようにも見えます。加賀建設の主に建築部門で利用する空間であることと、ギャラリーやスクールとして利用することを考えても、ふさわしいモチーフだと思えました。大きなワンルームの空間ですが、入り口から入って右手にミニキッチンやトイレなどを配置し、その動線を軸組の列柱によって空間を分節し、運河に面する正面や白山を望む右手は開放しています。
1階で営業されているカフェとともに、金石の地域の住民や金沢市民に親しまれ、今後さまざまな活動がこの場所で行われることを願っています。